蝸 牛(かぎゅう)


「ソレ、ソレソレソレ」「オーオ」
「何と、角ではないか」
...うそばっか

 

分  類:鬼山伏狂言 山伏物

登場人物:山伏(シテ)、太郎冠者、主


 あらすじ

 羽黒山の山伏が大峰・葛城での修行を終えて帰国の途中、藪の中で寝ていると、主に蝸牛(かたつむり)を取ってこいと命じられた太郎冠者に蝸牛と間違えられる。
 山伏は蝸牛になりすまし、その特徴(頭、貝、角等)も示してみせる。主のところへ同道しようという太郎冠者に囃子物を教え、二人で囃して浮かれる。迎えに来た主人は驚き、蝸牛ではないと注意するが、その主人も囃子物のリズムに合わせ、一緒に浮かれてしまう。


 ♪「ハァ、雨も風も吹かぬに、出なかま、打ち割ろ」

 みどころ

 いくらなんでも太郎冠者がかたつむりを知らないという事は考えられませんが、 そこは狂言の便利なところです。そのナンセンスな部分が余計に笑いを誘います。
 山伏と太郎冠者が楽しく戯れるところは微笑ましくもあります。そう。この山伏は 狂言には珍しくしっかりとした法力を持っているのです。 何時の間にか、あなたも浮かれているかもしれません。ご注意を。

 うんちく

 「雨も風も吹かぬに……でんでんむしむし、でんでんむしむし」を「段」とよびますが、 茂山家ではこれが四段、つまり四回繰り返すそうです。ところが、和泉流も含め、 他の家では、十段なんだそうです。十段だと、結構大変です。体力が入ります。
 囃しながら橋懸かりを帰っていくと、お客さんの拍手も中途半端で、 いつ終わるのか、いつ拍手したらよいのか、という戸惑いを見て取る事ができます。 いっそのこと、お客さんも一緒に浮かれて帰ってしまえば、何の問題もないでしょうね。


「でんでん、む〜しむし〜!」
全員で浮かれつつ、囃子にのって退場。わけ分からへん。

文:佐渡のきつね

 

 公演情報

 


「狂言演目紹介」冒頭ページに戻る

トップページに戻る